No.16新着 馬券の払戻金にかかる税金のしくみ 原則は「一時所得」、外れ馬券は引けない
払戻金は原則として一時所得。払戻金から当たり馬券の代金と特別控除50万円を引き、その半分がほかの所得と合わせて課税される。外れ馬券の代金は引けない。
本文と出典
【このページについて】
国税庁の説明と所得税法をもとに、一般的なしくみをまとめます。人によって扱いが変わるので、ご自分の場合は税務署か税理士にご確認ください。
【払戻金は原則として「一時所得」】
国税庁は、一時所得の例として「競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)」を挙げています(国税庁タックスアンサー No.1490 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm )。法律では所得税法34条です。
かっこの中の「営利を目的とする継続的行為」に当たる場合は「雑所得」になります。これについては「外れ馬券は経費になるのか」の記事に書きました。
【一時所得の計算】
国税庁の式は次のとおりです。
払戻金の年間の受取額 -(当たった馬券の年間の購入代金)- 特別控除(最高50万円)= 一時所得の金額
国税庁の確定申告特集は「外れた投票券の購入費用は差し引くことができませんので、ご注意ください」と書いています(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/shinkoku-tyuui/ )。
こうして出した一時所得の金額の2分の1を、給与などほかの所得と合わせ、所得税の税率(5〜45%)を当てます(No.1490、No.2260)。保険の満期金など、ほかの一時所得があるときは、全部を合計してから50万円を引きます。
【確定申告が要る目安(会社員など給与所得者の場合)】
給与を1か所から受け、年末調整を受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は要りません(国税庁 No.1900、所得税法121条)。
一時所得だけのときは、特別控除のあとの金額を2分の1にした額が20万円を超えるかで判断します(国税庁 No.1903)。
ここで気をつけたいことが2つあります。20万円は、副業などほかの所得との合計で判断します。また、確定申告が要らないことと、税金がかからないことは別の話です。住民税の扱いは、お住まいの市区町村にご確認ください。
【計算の例(仮の数字。国税庁の例ではありません)】
1年間に払戻金を100万円受け取り、当たった馬券の代金が1万円、外れた馬券の代金が80万円だった場合で考えます。
・一時所得の金額=100万円-1万円-50万円=49万円(外れの80万円は引けません)
・ほかの所得と合わせるのはその半分の24万5,000円
・給与所得者でほかに所得がなければ、20万円を超えるので確定申告が要る目安を超えます。
実際の収支は1万円+80万円=81万円を使って100万円を受け取ったので、19万円のプラスです。それでも税金の計算では49万円の一時所得になります。
【払い戻しのときに税金は引かれない】
払戻金は、受け取るときに税金が引かれていません。政府の答弁書(令和6年4月26日)も、源泉徴収の制度を入れることは「考えていない」と答えています(https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b213081.htm )。申告するかどうかは、受け取った人が自分で判断することになります。
【記録の残し方】
JRA のネット投票では、投票の内容を過去60日間、成績(月別など)を本年度と前年度の分、照会できます。CSV でダウンロードもできます(JRA 投票照会サービス https://www.jra.go.jp/dento/tohyo/service.html )。60日を過ぎると内容は見られなくなるので、こまめに保存しておくと申告の材料になります。