No.21新着 【くらさんの考察】地方競馬に伸びしろはあるのか どん底から過去最高へ、その中身
地方競馬の売り上げは2011年度の3,314億円から2025年度の1兆1,468億円へ3倍以上に伸びた。伸びたのはネット投票(91.5%)で、競馬場の入場者は戻っていない。施設の老朽化や人手など、伸びを支える土台に課題が残る。
本文と出典
【資料にあること】
・売り上げの山と谷:地方競馬の売り上げは1991年度の9,862億円が長く最高でした。その後落ち込み、2011年度の3,314億円が底です。2021年度に9,933億円で30年ぶりに最高を更新し、2025年度は1兆1,468億円になりました(地方競馬全国協会「地方競馬開催成績」各年度、第三期競馬活性化計画 検証報告書)。
・中央との比べ:2025年の中央競馬の売り上げは、海外競馬の発売を含めて3兆5,178億円です。地方はその約33%にあたります(農林水産省「競馬の概要」から計算)。
・ネット投票の割合:売り上げのうち電話・インターネット投票の割合は、2005年度の11.72%から、2020年度に93.2%、2025年度は91.5%になりました。2025年度は、競馬場で売れた分が2.4%、場外発売所の分が6.0%です。
・競馬場への入場者:1991年度は1,466万人でした。2019年度は305万人、コロナの影響を受けた2020年度は74万人、2025年度は273万人です。
・廃止された競馬場:2001年の中津・三条から2013年の福山まで、12の競馬場が廃止されました(国立国会図書館『レファレンス』2014年7月)。福山のあとに廃止された競馬場はありません。
・お金の行き先:主催する自治体などへ収益を分けた主催者は、2013年度の2主催者・6.25億円から、2023年度は12主催者・215億円に増えました(第四期競馬活性化計画 報告書)。
・課題:耐用年数を超えた施設が76.0%あり(2023年度)、必要な施設整備は2,400億円を超える見込みです。調教師は減り、高齢化が進んでいます。協会は、ネット投票に移るほど委託料の関係で主催者の取り分の割合が下がる、とも書いています。
【くらさんの考察】
地方競馬は、売り上げの数字だけを見れば「どん底から過去最高へ」です。ただ、その伸びはほとんどネット投票によるもので、競馬場に来る人は1990年代の5分の1以下のままです。地方競馬は、競馬場で見るものから、家で平日の夜に買うものへ、形を変えて生き返ったと考えられます。
伸びしろはあると考えます。理由は3つです。1つ目に、平日やナイターに開ける強みは、土日が中心の中央競馬と食い合いません。2つ目に、2024年の3歳ダート三冠のように、中央の馬も出る大きなレースが増え、注目が集まりやすくなっています。3つ目に、自治体へ分けるお金が増え、主催者が廃止を考えずに済む状態になっています。
一方で、伸びが続く条件もはっきりしています。老朽化した施設の建て替えに2,400億円を超えるお金が要ること、調教師や厩務員の確保、ネット投票の委託料で取り分が薄くなることです。売り上げが過去最高でも、今の伸び方が10年続くとは限りません。2025年度の伸び率は101.6%で、2020年度の130.1%に比べると落ち着いてきています。
【ほんまかいな予想として】
ほんまかいな予想は、いまは中央競馬の重賞を中心に予想しています。地方競馬は、ほぼ毎日レースがあり、検証の回数を増やしやすい場です。いずれ地方競馬でも予想と検証を試し、中央との違いを記録したいと考えています。